安定性を高めると患者さんは動けなくなる

2016年12月08日 admin_ccra

From.CCRA 福留良尚

(CCRA=脳卒中包括的リハビリテーションアプローチ)

 

 

コラムをご覧のみなさんこんにちは!

CCRA九州代表の福留良尚です。

 

 

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脳卒中により麻痺や失調症状が出現した患者さんは、安定性が低くなります。

 

急性期、不安定な体幹、感覚の低下等により、座位や臥位でも不安定な場面を強いられるのです。

 

よって、この時期のリハビリは姿勢を安定させることから開始することが多く見受けられます。

 

 

「ポジショニング」「座位練習」「立位保持練習」

 

 

これらは姿勢を安定させ、動作に繋げるために大切なリハビリです。

 

しかし、タイミングを間違えるとこれらのリハビリ内容が動作を阻害する因子になる可能性もあるのです。

 

 

 

動作とは、安定性を崩すことから始まります。

 

これはお分かりになるでしょうか?

 

さっと立ち上がろうとするとき、前方へ重心を移動させる直前に後方へ反動をつけます。

 

この反動の際の筋活動のことをCA=counter activityといいます。

 

 

このCAは、どんなゆっくりとした動きをする時にも、体内で生じています。

 

この機能を司るのがAPAと言われていますね。

(これは詳細を省きますが、「APA 脳」で検索してみてください。)

 

 

 

動作を開始するためには重心を崩し、それを支える筋活動を絶えず行わなければなりません。

 

しかし、脳卒中後の患者さんは重心を自ら崩すということを非常に苦手とします。

 

転倒に対する恐怖感、感覚が低下していることによる不快感によって、緊張を高め、「安定」ではなく「固定」した姿勢を作るようになってしまうのです。

 

身体を守ろうとする自己防衛反応ともいえるでしょう。

 

 

私たちセラピストは、この固定を助長させてはいけません。

 

安定性を高める練習とはいえ、絶えず筋活動(動き)を誘導していかなければならないのです。

 

そこには必ず恐怖感や不快感を伴わせないような工夫が必要です。

 

 

自己防衛反応は、生物の反応の中で原始的なものです。

 

産まれたばかりの赤ちゃんでさえ持っています。

 

それを勇気をもってコントロールし、「出来た」という体験を積み重ねていくことが、CVAのリハビリテーションの根幹ではないかと考えております。

 

 

患者さんが勇気をもってトライできるよう、セラピストも試行錯誤していかなければなりません。

 

 

それでは最後まで読んでいただけてありがとうございます。

CCRA九州代表 福留良尚

 

 

 

 

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