姿勢制御に脳幹が大きく関わっていることはご存知でしょうか?
脳幹から始まる姿勢制御・運動制御のための伝導路は、
内側運動制御系から構成されています。
具体的には、
前庭脊髄路、
網様体脊髄路、
視蓋脊髄路、
赤核脊髄路
から成り立っています。
これらの伝導路を通して何をしているか。
それは、「筋緊張のコントロール」を行っているのです。
脳幹は、姿勢制御に重要な、筋緊張のコンロトールを行うためのセンサーが存在します。
実験により、脳幹に対し、薬物作用を行うと、
先行随伴性姿勢制御(APAS)が作用しなくなるという報告があります。
そこから姿勢制御システムを脳幹が担っているという客観的な考察が行えるのです。
先行随伴性姿勢制御とは、随意運動が開始する前に適切なコントロールが行われ、
随意運動を行いやすくするための姿勢制御システムのひとつです。
脳幹梗塞等、脳幹にダメージを受けている症例はこれらのシステムに障害が起きているため、
動作に支障をきたしている可能性が大きく疑えます。
画像診断結果を確認できる環境であれば障害部位を確認することで、
画像診断結果が確認できない環境であれば、より姿勢制御を評価できることが求められます。
筋力や麻痺の評価では確認できないことが、
動作がどれくらい行えるか判断するための核になります。
お読みいただき、ありがとうございました。
PS:
姿勢制御の評価はCCRAベーシックセミナーでお伝えしています。
まだ仙台会場は開催まで日がありますよ~。
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CCRA認定インストラクター
岡澤 頼宏