認定インストラクターの岡澤です。
CVAのリハビリを進める上で、「運動学習」はセラピストが向き合う大きなテーマの一つです。
この運動学習の定義を見直すと、
日々の関わり方に間違いがあることに気づくことができるかもしれません。
さて、あなたの臨床で、
患者さんへのアプローチの結果、動作がスムーズになったということがあったとします。
この変化は「運動学習が進んだ」と解釈してよいのでしょうか?
かの大著、モーターコンロトールの中では、運動学習の定義はこうされていました。
「学習とは永続的な変化である」
つまり、アプローチ後の一時的な変化は、学習とは判断しないということです。
一回のアプローチの変化だけでなく、その効果が日常的に持続するようになり、
運動学習が進んだと判断できるのです。
その運動学習には、段階があります。
特に後遺症が残るCVAでは、
発症前の運動戦略からの変更を余儀なくされることが多い疾患です。
動作がスムーズに行えるように至るまでの運動学習には、
3つの段階があるとされています。
その1:いろいろ試す時期
運動学習は運動的要素と、知覚的要素が求められます。
単純にどれくらい動かすかという、運動としての要素と、
どんな質感のものを、どのくらいの距離感で、
というような知覚的要素を併せて行動に落とし込む必要があります。
姿勢制御や運動制御に障害をきたしているCVAですので、
最も安定した方法で動作を行えるようになるまでには、
様々な経験を積むことで、より効率的な動作を探ることになります。
まずはこの経験する時期を第1段階として迎えます。
その2:スキルを磨く時期
効率的な動作をある程度みつけることができたら、
次はそのスキルを磨く時期となります。
その3:注意を必要としなくなる時期
徐々に運動学習が進むと、動作を遂行するにあたり、
他のことと並行しながら行えるようになります。
例えばおしゃべりしながら動作が行えるようになったり、
動かしている手元を見ずに上手に遂行できるようになったりということです。
これら運動学習の段階を知ることで、動作の習熟度を図ることができます。
しかし、あくまでポイントは、その場での変化を見ることではないということです。
比較的長い時間軸で判断することが必要となります。
判断を行う中で、上記の3つの段階を見定めていくことで学習を判断してください。
CVAにおいては単純な反復練習を繰り返すことだけではなく、
前提として最も基盤的な姿勢制御、運動制御への介入を行うことで、
より効率的な動作練習を展開することができます。
この姿勢制御、運動制御へのアプローチ方法を学ぶのであれば、
ぜひCCRAのセミナーにお越しください。
あなたの臨床力のアップに、CCRAはきっとお役に立てると思います。
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お読みいただきありがとうございました。
CCRA認定インストラクター
認定理学療法士(地域理学療法分野)
岡澤 頼宏