認定インストラクターの岡澤です。
昨日大阪でCCRA【脳卒中包括的リハビリテーションアプローチ】の
体験セミナーを開催しました。
キャンセル待ちが出るほどの盛況でした。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
今回は「CVAの立ち上がり動作への介入」というテーマで、
立位動作を、姿勢制御の視点から評価、介入を行うという内容です。
今回のセミナーにたくさんのお申込みがあったのは、
それだけCVAに対するアプローチにお悩みの方が多いということだと、
セミナー後のアンケートからもうかがうことができました。
確かに、急性期、回復期、生活期と発症から経過がたつにつれ、
「いったいこの患者さんに何ができるんだろう」という悩みは大きくなりがちです。
しかし、セミナーで行った実技を通して、
少しこんな風に関れば変化が期待できるかもというきっかけになれば幸いです。
ところで今回の体験セミナーの中でも触れましたが、
CVA患者さんの目指す動作とはいったい何を目標にすればよいのでしょうか?
ありがちな間違いとして、「正常動作を目標としてしまう」ということが挙げられます。
この正常動作、教科書などで学んだものですが、
CVA患者さんの目指す動作とするのは現実的ではありません。
それは終わりがみえないからです。
片麻痺を持っている患者さんという段階で、
すでに正常動作が目標となることは現実的ではないでしょう。
入院期間が限られてきている現在の保険制度の中で、
現実的ではない目標設定を行うことは患者さんにとって不利益を被ることにつながります。現実的な目標設定を行うことは、
リハビリ職にとって重要な専門性のひとつといえるでしょう。
目標設定を行う上で必要なことは、患者さんののびしろを図ることです。
介入の中で獲得した動作を日常生活の中に取り入れることで、
獲得した動作はより安定性が向上します。
現在の状態ではこの動作はこんな介助方法でこれくらいできる。
こんな自助具を使用すればこれくらいできる。
この準備運動(かっこよくコンディショニングと呼びます。)後であればこれくらいできるようになる。
この積み重ねで、患者さんののびしろを図ることができます。
介助方法や自助具によって把握できる能力は、
現在の機能をより発揮できる環境の模索。
準備運動後にみられる動作能力ののびしろは今後期待できるかもしれない能力です。
このコンディショニングでどんな介入ができるかで、
期待できる能力ののびしろがかわるかもしれないのです。
身体機能へのアプローチはより根本的な問題に対応したものほど、変化は大きいものです。そういった意味で今回お伝えした姿勢制御を基盤とした評価方法はCVA患者さんのコンディショニングに取り入れていただくと、
これまで以上に患者さんののびしろを把握できます。
もちろん簡単な評価ではありませんので、反復練習は必要です。
始めは不安もあるでしょうし、反応をどう解釈してよいかわからないこともあるでしょう。
しかし、どんなことででも始めはあります。
とりあえずやってみること。
これが新しいことを学んだときなにより大事なことです。
患者さんに試してみることが不安なのであれば、
同僚に練習につきあってもらうのもよいでしょう。
ぜひ臨床でお試しください。
もちろんもっと深く学びたい、もっとしっかり練習したいという方は、
ぜひCCRAのセミナーにお越しください。
あなたの臨床力のアップに、CCRAはきっとお役に立てると思います。
>>>http://iairjapan.jp/ccra/basic/nerve/
お読みいただきありがとうございました。
CCRA認定インストラクター
認定理学療法士(地域理学療法分野)
岡澤 頼宏