From.CCRA 福留良尚
脳卒中片麻痺の方の姿勢が安定しない、という悩みはありませんか?
といった対応になっていないでしょうか?若い頃は私もそうでしたが…。
では1つ質問です。
「上記のような介入で、患者さんの姿勢は安定しましたか?」
姿勢の安定しない方、もしくは非対称性が強くなっている方に対して、強制的に安定させたうえでADLや歩行訓練に持っていくことで、どれだけ患者さんの機能改善に繋がるでしょう?
無意識の状態での姿勢、それがその患者さんが現時点で行える姿勢コントールであり、徒手的に修正された姿勢は、あくまでセラピストがコントロールした姿勢です。
姿勢をコントロールするためには、筋が働かなければなりません。
筋は脳からの指令によって駆動されます。
その指令が通る経路を、下降性伝導路と呼び、代表的なものに「錐体路(皮質脊髄路)」がありますが、姿勢をコントロールする経路は別に存在しています。
代表的なものは「網様体脊髄路」「前庭脊髄路」があります。
これらの経路は、意識せずとも働くことが出来る経路です。
つまり、私たちは「立っていよう」「座っていよう」と意識せずとも、座って本を読んだり、立って台所仕事をしたりすることが出来ます。
無意識下でコントロールされているとは、こういう状況です。
何かをしようと意識した時、その動作や行動を保証するものが姿勢コントロールなのです。
問題をややこしくしているのはセラピスト?
リハビリを受けている患者さんには、動作や行動を意識してもらわなければいけません。
本来無意識で行われるべき部分を常に意識させ、努力させて果たして動作や行動に結びつくでしょうか?
姿勢コントロール改善のポイント
先ずは、どの経路が活動していないのか?を探らなければなりません。
その上で残存機能を動員し、それに応えられる身体調整を行うことです。
身体調整に関してはIAIRでお伝えしている徒手的アプローチが有効です。
そして、神経生理学の部分でのアプローチは、こちらのようにしなければなりません。
出来ることから神経伝達を効率化していきましょう。
私たちも一緒ですよね?
いきなりスケートリンクで4回転なんて飛べません。
脳卒中片麻痺の患者さんも一緒です。
今出来ることを見極め、そこから段階的に学習を繰り返すことで、機能が上がっていくのです。
それでは最後まで読んでいただけてありがとうございます。
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一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会
常任理事 九州地区責任者 理学療法士
福留 良尚
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