その悩みは100年前から存在していたかもしれない

2018年02月18日 admin_ccra

認定インストラクターの岡澤です。

 

 

僕は今、少しずつですが、中枢系の教科書を読んでいます。

 

これまでにも中枢系の教科書は読んでいたのですが、

年が明けて思い立ち、大著を読もうと取り組んでいます。

 

 

CVAのセミナー講師をするようになり、約3年になりますが、

まだまだわからないことだらけです。

 

 

読んでみると、とてもおもしろく、どんどん読み進めてしまいます。

 

 

 

そこで今回から僕のコラムでは、

僕が学んだことをできるだけ臨床の話を交えながらお伝えしたいと思います。

 

 

 

そもそもですが、CVA患者さんのリハビリの目的とはなんでしょうか?

 

 

麻痺の促通、ADLの自立度向上などが頭に浮かびます。

 

 

そのために必要なこととはなんでしょうか?

 

 

 

このような神経系の研究は1900年代初頭からすでに行われていたというから驚きです。

 

 

 

 

書かれていた研究を始めるきっかけというのも、

僕の中ではとても興味深いものでした。

 

 

 

研究のきっかけは、

「末梢神経損傷と中枢神経損傷の患者では、臨床像が全く異なる」ということだったようです。

 

 

これは100年以上たった現代でもなお現場で悩むセラピストがいるのではないでしょうか。

 

 

このきっかけに対し、研究は進みます。

 

 

 

その結果、

運動制御をより高めることが

中枢神経損傷患者の治療には必要ということが判明してきます。

 

 

 

研究が進む過程の中には、現代のセラピストが悩む壁にもぶち当たってきたようです。

 

 

例えば、

中枢神経障害の患者の単一な運動を繰り返しても、

運動制御の回復はみられなかったようです。

 

 

これは言い換えると、

膝伸展運動などの単一な運動を行っても、

歩行時の膝折れは改善がみられなかったというようなことです。

 

 

運動制御の回復には、

単一な運動単位のみをターゲットとするのではなく、

運動プログラム構成から、

幅広い運動単位への介入を要することが分かったそうです。

 

 

 

つまり、先ほどの例のように、

歩行時の膝折れへの介入は、

膝伸展運動だけでは不十分であるということが、何十年も前にわかっているのです。

 

 

 

このように、過去の研究の過程を知ることは、

リハビリテーションの切り口をみつける上でとても有用なことです。

 

 

 

すでに100年も前に行われていたことを闇雲に行うのではなく、

先人の経験を踏まえたことを、現場で行うことの重要性を感じさせられます。

 

 

 

数々の介入方法を客観的に見つめた上で、

運動制御を中心に考えたCVAなどの中枢神経障害の治療の目的は、

「動作時の代償方法の効率を改善させること」というものにたどり着きます。

 

 

 

これは現代のリハビリテーションの分野にも大いに役立つ情報です。

 

 

 

このように臨床で患者さんへの介入を行う上で、

知っておいた方が良い情報は、実は簡単に手に入ります。

 

 

 

しかしより重要なのは、

その情報を踏まえた上で、どのような介入を具体的に実施するのかということです。

 

 

 

CCRA【脳卒中包括的リハビリテーションアプローチ】では

姿勢制御、運動制御を基盤としたアプローチ方法の展開をお伝えしています。

 

 

 

お読みいただきありがとうございました。

 

 

 

CCRA【脳卒中包括的リハビリテーションアプローチ】

関西地域担当講師

認定理学療法士

岡澤 頼宏