生活期のCVAアプローチに必要なこと

2016年11月15日 admin_ccra

CCRA関西代表の岡澤です。

 

私は理学療法士になり、今年で15年目となります。

養成校卒業後は、整形、内科、外科、中枢などなんでもありの病院に勤務しました。

リハビリ対象も、入院だけでなく、外来、通所リハビリ、訪問リハビリなど様々なリハビリを経験しました。

 

私の新人時代と現在を比較して、最も違いを感じるのは人員の数です。

今では入院担当、外来担当といった部門別で業務にあたる職場が多い様に感じられます。

 

同一疾患であっても、人によって様々な臨床症状がありますが、

それと同じように、病期の違いによる違いもまた、臨床では重要な情報となります。

 

この重要な病期の違いによる情報が感じ取りにくい現在の働き方の中で、

様々なリハビリを経験したということは、

皆さんに多くの経験を伝える事ができるのではないかと考えております。

 

現在私は、訪問リハビリに従事しております。

 

急性期回復期を経て、在宅へ至ったリハビリ対象者の方々は、

うまく在宅へ順応できた方がいる一方で、

在宅では不活動の状態に陥っている方も数多く見受けられます。

 

入院のリハビリと違い、

通所リハビリや、訪問リハビリといった生活期リハビリは、

回数に限りがあります。

 

その限られた関わりの中で、

利用者様にリハビリの効果を感じていただくには、

効率的な関わりをすることが欠かせません。

 

在宅でのADL練習は、

実際の生活場面でおこなうため、

その効果が生活に反映されやすいという利点があります。

 

しかしCVA患者様の動作練習は、筋緊張の影響が強く表れる方も多く、

生活場面でおこなえばすべてが効率的な練習になるとはいいきれません。

 

特に、入院生活が長くなりがちなCVA患者様であれば、

これまで過ごしていた生活環境でも、

長らく家を空けていたため、慣れていない環境と感じられてしまったり、

住宅改修で生活パターンが大幅に変わってしまう事が、

筋緊張を更に亢進させてしまい、

かえって動きにくくなることもよく見受けられることです。

 

そういった動作時の筋緊張を調整する事ができれば、

在宅生活を円滑に活動的なものへと進めることができます。

 

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2年前より開催しておりました「脳卒中片麻痺の基盤的評価と治療」セミナーでは、

CVA患者様の姿勢制御システムを切り口に、

動作時のパフォーマンス向上を図る評価方法、介入方法をお伝えしてきました。

 

 

本セミナーの受講生さんからは

「明日の臨床から活用できそうです!」

「安心して患者様にチャレンジできそうです」

といった嬉しいお声をいただくことができました。

 

実際私自身、生活期のCVA患者様に関わる中で、

いわゆるプラトーの患者様であっても、

動作時の安定性が向上するケースを経験しています。

 

この度CCRA(包括的脳卒中アプローチ)を開催するにあたり、

これまでお伝えしてきた内容をより掘り下げたものを、

皆さんへお伝えしていきたいと思います!

 

 

お読みいただきありがとうございました。

 

 

CCRA関西代表

認定理学療法士(地域理学療法分野)

岡澤 頼宏